「パラダイム」について-5-

2011年07月26日 |

「パラダイム」に関して、私にこんな経験があります。

リッツカールトン大阪の開業間もないころのことです。
私には、ウェディングに関する20年近い経験がありました。
人一倍ウェディングのことを考えてきたという思いがあったので、ウェディングについては誰よりも熟知しているという自負を持っていました。
もちろん、そのくらいの自負がなければリッツカールトンのウェディング責任者を引き受けることはできませんでした。
当時の私の上司は、日本に初めてやってきた外人ばかりでした。
当然日本の婚礼についての経験も知識もほとんどありません。
ところが彼らは、ウェディングに対してあれこれ意見を言ってきました。
私には「外人に分かるわけない」という気持ちが強くありましたから、彼らの言うことは右の耳から左の耳へすぐに抜けている状態でした。

ある日、一人の外人が「ミスター岡田、あなたは日本のウェディングについてわれわれよりもよく知っているし経験も深い。そのことは良く分かっている。でも、われわれは、あなた以上に、世界のエグゼクティブについてよく知っているし、経験も深い。あなたが相手をしているのは、日本の婚礼ではなく、日本のエグゼクティブではないのか。」といってきました。

この言葉に私は頭を大きく打たれたような気がしました。「なるほど、そうだ」と思いました。
“目からうろこ”とはこのことだとはじめて感じました。
私の経験や知識さが、素直に人の話に耳を傾けることを拒んでいました。
私のつまらない自負が私の成長を妨げていたことに気付きました。
それ以来私は、外人たちの言うことに素直に耳を傾けることにしました。

彼らは私の知らない経験や考え方をいろいろ教えてくれました。
エグゼクティブといわれている人たちの嗜好や感性、その人たちを満足させる方法など、私の知らないことを沢山教えてくれました。

このときに私が得たもっとも大きな収穫は「自分の独自のパラダイムに浸りきって、自分で自分の視野を狭めていたことと、そのパラダイムを転換することの大切さ」を知ったことでした。
私の持っていた経験や知識は、私ひとりが見たり聞いたりしてきた、ほんの狭い範囲のことだけで成り立っていました。よくよく考えてみればたかが知れた内容でした。

人間一人の経験や知識の小ささに気付くことができたこと、そして、人の意見や考え方を素直に受け入れる事の大切さを知ったこと、そしてその為にパラダイムを転換させなければならないこと、自分の持っている世の中を見るめがねを架け替えることの大切さを学んだとても貴重な瞬間でした。



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